逃亡者…その後

2001年6月29日
あてもなく歩き続ける3人。所持金はゼロ。
ただ不思議と怖くはなかった。むしろ楽しかった。
3人でいろんな話をしたのを覚えてる。
自慢話、好きな女の子の話、などなど…
3人とも顔はすすで汚れて真っ黒、髪の毛も所々燃えてるし
お互いの顔をみながら笑い合ったのを覚えてる。

どれくらい歩いただろうか、いつの間にか隣町の駅前にいた。
時刻は…覚えてないが、おそらく夕方の6時か7時ごろだと思う。
日が落ちて、寒かった。
とにかく腹が減った。朝ご飯食べたっきり何も口にしていない。
「腹減った〜」「どうする〜?」寒さと空腹…そして疲労。
正直言って、もう怒られてもいいから家に帰りたくなっていた。

そこで、またもやI君。
「ちょっと待っとき」と言い残していなくなったI君。
しばらくして戻ってきたI君が差し出したものは、
「仮面ライダースナック」
どうやって手に入れたかは聞かなかった。
3人で1袋のお菓子をむさぼり食った。

少し元気を取り戻した3人。また歩き出す。
しばらくすると1台の車が…「僕たち、何してるの?」
黒と白のツートンカラーの車、、、パトカーだった。
もう逃げる元気も気力もなかった。
時間にしてどのくらいだろう…10時間ぐらい?
ちびっ子3人の逃亡劇は、あっけなく幕を閉じた。

自宅に戻ると…大勢の人。その中から両親が駆けだしてきた。
「よかった、よかった」と言いながら母は私を抱きしめた。
父も母も泣いていた。回りの人もみんな泣いていた。
なんで泣いてるのか解らなかった^^;
てっきり怒られると思っていたのに、
怒られなかったことが不思議だった。
家に入って、おにぎりを腹一杯食べた。美味かったな〜。

大人になって聞いた話によると…
どうやら私ら3人、焼死したんじゃないかと
警察と消防で遺体探しをしてたらしい。
ただ、いくら探しても遺体が見つからないので
生きてるんじゃないかということになり、
地元の人たちも加わって広い範囲で捜索が
始まってたということだった。
帰ってきた私ら3人は、まるで戦災孤児のようだったらしい。

今考えると…
父と母、気が狂いそうなくらい心配したんだろうな〜。
ごめんね^^;

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